内容紹介
「第3世代の精神病理学徒の意見をしっかり残したい」
との思いから,自由で忌憚のない意見をかわした2日間の記録。臨床精神医学の現状につのらせる危機感と何とかしたいというこころが存分に伝わってくる。
目次
座談の呼びかけ―序にかえて―
第一章 臨床精神医学の空洞化
・ 心に残った3つのエッセイ
・ EBMとマニュアル化
・ 症候学の欠如
・ 操作的診断学批判
・ マニュアル化の背景
・ 再び症候学の欠如,そして診察の仕方
・ 了解,共感,感動
・ 「万脳主義」の時代
第二章 精神科臨床:回顧と提言
・ 「精神科治療学」創刊の思い
・ 「闘争」の時代
・ 症例を語らしめよ,患者も自分も
・ ラカン旋風と教条主義
・ フィールドワークの場としての日常臨床
・ 臨床研究に必要なもの
・ 診立てと対応した手当てを
・ 論文を書いた訳
第三章 臨床精神医学の試金石
・ 「大うつ病性障害」の問題点
・ 思春期・青年期臨床の問題点
・ 精神医学の行方の心配
・ 薬はこれ以上必要か
・ 討論から抜け落ちたこと
第四章 座談を終えて
・ よき友,よき酒,よき話
・ 次世代への伝言―統合失調症の「悲劇」
・ 私から見た先生方のプロフィール
・ 楽しかった,けど疲れた