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定価 2,090円(本体1,900円+税) 版 型 A5判 頁 数 344頁 ISBN 978-4-89600-376-5 発売日 2001年5月30日 著者 岩田誠
内容紹介
ミステリー?サスペンス?サイエンス・・・?10年以上にわたり,季刊誌「BRAINMEDICAL」で連載された"脳と音楽"をまとめた一冊。日本を代表する神経内科の大家が,天才芸術たちのドラマより,彼らの脳疾患を再検証する。巻末に"バッハの墓所の発掘調査"の全訳を特別収載。
目次
第1章・音楽家の脳
/1.ガルの骨相学から大脳機能局在説へ /2.音楽家の脳の特徴 /3.演奏ジャンルと脳の形 /4.ハイドンの頭の骨 /5.バッハの頭蓋骨 /6.大作曲家の頭の形 /7.音楽家の脳の働き
第2章・ラヴェルの病い
/1.プロローグ・ラヴェルの家にて /2.病いの始まり /3.進みゆく病い /4.ラヴェルの主治医達 /5.病いの診断 /6.エピローグ・友人達の診断
第3章・言葉を奪われた音楽家たち
/1.Tさんの場合 /2.失語症患者の音楽能力 /3.シェバリーン /4.サンヅォーニョ /5.ジャン・ラングレ /6.アッサルとブラストの患者達 /7.BL氏の記録 /8.音楽と言葉
第4章・音楽を失う時
/1.失語症と左大脳半球 /2.感覚性失音楽のS嬢 /3.BI氏の失音楽 /4.右半球病変による失音楽 /5.楽器演奏に選択的な失音楽 /6.左半球性失音楽と右半球性失音楽 /7.局所脳損傷による音楽能力の障害 /8.音楽を失う時
第5章・芸術家の脳腫瘍
/1.建国200年祭の『ポーギーとベス』 /2.ガーシュインの誕生 /3.脳外科学の誕生 /4.アメリカの時代 /5.野田英夫と“アメリカなるもの” /6.『ポーギーとベス』と『帰路』 /7.ガーシュインの病い /8.野田の発病 /9.野田の診断 /10.1930年代のアメリカと日本 /11.ガーシュインと野田
第6章・音楽する脳
/1.脳の左と脳の右 /2.両耳分離試験 /3.音楽する脳の電気的活動 /4.音楽する神経細胞 /5.機能画像法による音楽する脳の研究 /6.セルジャンさん /7.オルガニストのルシュヴァリエ教授 /8.ファンクショナルMRIで見た音楽する脳 /9.音楽する脳
第7章・創造と幻覚
/1.シューマンの剖検記録 /2.シューマンの病歴 /3.音楽幻聴 /4.幻覚と芸術作品 /5.幻聴を生み出す脳 /6.創造する脳
巻末特別掲載 バッハの墓所の発掘調査
偶然の出会い
ヨハン=セバスティアン・バッハ その墓地,骨格および顔貌についての研究
/はじめに/棺の発掘/徐々に解明される課題/委員会の最終結論
補遺 頭蓋骨およびその他の骨についての補足報告