内容紹介
目次
1.社会的変動・災害・戦争は循環器疾患発症にどう影響するか―社会状況の良否は国民の健康状況の鍵となるか―
/1.社会的環境の変動は死亡率や循環器疾患発症にどう影響するか /2.災害は循環器疾患発症を促進するか
2.社会的環境・職場環境・家庭環境は循環器疾患発症にどう影響するか
/1.社会的環境や職業は循環器疾患発症に影響するか /2.社会的環境,職場環境あるいは家庭環境は高血圧の発症に影響するか
3.心血管疾患発症になぜ季節的な変動があるか,感染症は心血管疾患発症を促進するか
/1.環境温度・季節変動・気候変動は死亡や心血管疾患発症の頻度を増加させるか /2.環境温度や季節の移り変わりは血圧にどう影響するか /3.感染症と心血管事故―C反応性蛋白上昇は心血管疾患の予測因子となるか
4.循環器疾患の発症には好発する曜日や時間帯が存在するか
/1.虚血性心疾患は何曜日に好発するか /2.脳卒中は何曜日に好発するか /3.休日と勤務日の血圧差はあるか /4.心筋梗塞・不整脈・脳卒中の好発時間帯に関してどこまで解明されているか
5.ストレス負荷時の血圧反応あるいは安静時の心拍数高値は心血管事故や高血圧の予測因子となるか
/1.ストレス負荷時の血圧上昇反応から虚血性心疾患発症の危険を予測しうるか /2.ストレス負荷時の血圧上昇反応は高血圧の予測因子となるか /3.心拍数増加は心血管疾患発症の危険性の指標か,あるいは危険因子であるか /4.治療面から心拍数高値の危険性は確認されているか
6.どのような心理社会的な特徴があると心血管疾患発症を促進するか
/1.どのような心理社会的な特徴が虚血性心疾患の発症や病態の悪化に関与するか /2.高血圧発症には何が重要な役割を果たすか
7.ストレスは高血圧や循環器疾患発症に影響するか―縦断調査を中心として―
/1.ストレス環境下でなければ経年的な血圧上昇は認められないか /2.近代化は血圧を上昇させるか(「新世界症候群」) /3.ストレス環境下では虚血性心疾患の発症頻度は上昇するか
8.ストレス反応と循環器疾患の発症
/1.ストレスによる交感神経系賦活化はどのような臨床的意義を有するか /2.代謝あるいは血液凝固系にストレスは影響するか /3.ストレスは動脈硬化病変を促進するか /4.ストレスは警告反応にどう影響するか
9.ストレスは高血圧を発症させるか―成因論からみた考察―
/1.「一般感受性仮説」でストレスによる高血圧発症頻度の上昇を説明できるか/高血圧特有のパーソナリティが関係するか /2.「反応性仮説」でストレスによる高血圧発症を説明できるか /3.「エピネフリン仮説」でストレスによる高血圧発症を説明しうるか
10.どのような環境因子が高血圧発症に促進的か/環境因子に対する介入は高血圧発症を抑制するか
/1.縦断調査からみてどのような予測因子が存在するか /2.生活習慣の修正は高血圧を予防するか
11.ストレス管理には何が重要か/薬物療法の注意点はあるか
/1.社会的支援が重要である /2.信頼関係を基に生活指導を行う /3.降圧薬はどのような神経心理学的な効果をもち,QOLへどう影響するか
12.白衣高血圧の管理に降圧薬治療は必要か
/1.白衣高血圧例の予後は良好か /2.「白衣高血圧」と「白衣効果」とはどのような関係にあるのか /3.白衣高血圧例には心理的ストレスの関与が大きいか /4.白衣高血圧の頻度は正常血圧の設定で異なるか /5.白衣高血圧は無害であるか―標的臓器障害からみた考察―
13.ストレスと対策
/1.健全な社会秩序の重要性 /2.社会経済的状況と循環器疾患発症 /3.ストレスの影響を受けやすいタイプ /4.家庭環境と循環器疾患発症 /5.循環器疾患発症の季節変動および曜日別変動 /6.災害(地震・洪水・原子力発電所事故)と循環器疾患発症 /7.どのようなストレス対策が考えられるか(現代養生訓) /8.老後に死の直前まで介助なしで生活するための対策はあるか