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老年薬学ハンドブック

老年薬学ハンドブック

定価 2,530円(本体2,300円+税)
版 型 B5判
頁 数 104頁
ISBN 978-4-7792-2068-5
発売日 2018年5月10日
編集 日本老年薬学会

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  • 内容紹介
  • 目次

内容紹介

織田信長が謳ったといわれる「人間五十年、下天のうちを…」は人間の寿命を意味するものではないそうですが、第二次世界大戦終了までは、確かに日本人の平均寿命は50年余りでした。もちろんこれは、新生児で亡くなる例も、天寿全うの例もおしなべての数値ですから、昔も今も長寿の方は存在しています。
高齢率が急速に高まった理由は、日本人の場合は栄養と衛生状態がよくなったこと、住居環境が整備されたこと、さらに医療技術が発達したことがあげられるでしょう。第二次世界大戦後の日本人の死因の第1位が、結核から脳血管障害、そして悪性新生物に変化してきた歴史は、医療技術の発展を如実に反映しています。100歳を超える人は、金杯を贈って祝うくらいの珍しい存在であったのが、現在は6万人を超える状況となり、特に重い持病のない人は、世紀をまたいで生きるのが普通になりつつあります。90歳で薬は風邪の時くらいしか飲まない、という方もあれば、常時20種類を超える薬を使用している方も少なくない状況下で、「薬は病気を治してくれるもの」とばかりもいえない事態があちこちで生じています。ある年齢になれば当然発症して当たり前、と考えられる症状が、実は薬の副作用だったという事実の存在が知られるようになり、高齢者の生理的特徴に基づく病態の把握と治療戦略が新たに必要になってきました。「ポリファーマシー」や「フレイル」という単語がマスコミにも登場するようになり、高齢者の健康や医療は、高齢者自身のみならず、国家的関心の対象となっています。
本書は高齢者医療のすべてを詳しく論じるだけの紙幅はもちませんが、現在わが国が直面している「高齢化」の健康面での問題点、特に多疾患を抱える高齢者の薬物治療をどう適正化するかについて、2015年に発刊された『高齢者の安全な薬物治療ガイドライン2015』(日本老年医学会 編)の考え方に基づき、多職種・地域で実践するためのエッセンスを集めています。本書をひとつのきっかけとして、高齢者の薬物治療適正化の必要性が社会全体に浸透することを願ってやみません。

(平井みどり「序文」より抜粋)

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目次

第1章 高齢者を取り巻く社会
第2章 高齢者のヘルスマネジメント
第3章 高齢者に多くみられる症候、障害、疾患
 【老年症候群】
 【慢性疾患】
第4章 高齢者の処方見直しの視点
第5章 多職種との連携

巻末資料 高齢者の処方適正化スクリーニングツール
巻末資料1 特に慎重な投与を要する薬物のリスト
巻末資料2 開始を考慮するべき薬物のリスト
巻末資料3 リストの使用フローチャート

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