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酸素療法マニュアル

酸素療法マニュアル

定価 3,850円(本体3,500円+税)
版 型 A4判変型
頁 数 144頁
ISBN 978-4-7792-1995-5
発売日 2017年11月20日

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  • 内容紹介
  • 目次

内容紹介

酸素療法ガイドラインを2006年に上梓して既に10年が経ちました。その間,様々な酸素吸入器具が世に出てきました。なかでも高濃度酸素を確実に吸入させる装置が開発あるいは輸入され普及したことは特筆すべきことです。従来,高濃度酸素吸入は,酸素テント,リザーバ付酸素マスク,ネブライザー付酸素吸入器が主流でした。今では,酸素テントは小児科領域以外では使われていません。リザーバ付酸素マスクもマスクと顔の隙間から空気を吸い込むため実際の吸入酸素濃度はかなり低くなります。ネブライザー付酸素吸入器は設定した濃度の酸素ガスを流せても患者(成人)が必要とする十分な流量を確保できません。しかし最近は高流量式ジェットネブライザーや高流量式鼻カニュラが開発され,患者に設定した高濃度酸素ガスを吸入させることが可能になりました。さらに高流量式鼻カニュラをつかった酸素療法が2016年4月から保険収載され,その普及に弾みがつきました。この装置は通常の酸素吸入から人工呼吸器装着への橋渡しの可能性もあり救急の現場を中心に普及しています。将来の発展が期待できそうです。
このような新しい装置の開発,普及だけでなく,昔から使われている酸素マスクも日本人の顔に馴染む形に改良されました。いままではマスクが顔に合わず,隙間から空気も一緒に吸っていた事を考えると極めて大切なことです。また酸素吸入をしながらストローで食事もとれる形のマスクも作られました。患者さんのQOL向上が期待できます。
さて,今回から名称を「酸素療法ガイドライン」から「酸素療法マニュアル」に変更しました。本書の目的は酸素吸入器具の正しい使用の普及にあるからです。
最後に,今回の名称を変えた改訂版の最大の特徴は本書を学会ホームページにPDF版として公開し,だれにでも読めるようにしたことです。つまり学会員でなくても学会ホームページからダウンロードできます。
これを機に正しい酸素吸入療法が普及することを願います。

(宮本 顕ニ・一ノ瀬正和「序文」より)

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目次

序文
「酸素療法ガイドライン」の序文(第1版)
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 酸素療法マニュアル作成委員会
日本呼吸器学会 肺生理専門委員会

■総論
第 I 章 酸素療法について
 A.酸素療法とは
 /1.酸素療法とは /2.ヘモグロビン酸素解離曲線 /3.酸素瀑布―大気中から組織・細胞までの酸素分圧の変化 /4.動脈血の酸素含量と酸素の輸送
 B.呼吸不全
 /1.定義・分類 /2.病態生理 /3.基礎疾患 /4.臨床症状・身体所見 /5.呼吸不全の診断
 C.呼吸困難対策としての酸素療法
 1.呼吸困難対策としての酸素療法
 2.呼吸困難対策としての酸素療法のエビデンス
 3.呼吸困難対策における酸素療法導入

第 Ⅱ 章 急性心不全への対応方法
 1.はじめに
 2.適応
 3.目標
 4.初期酸素投与の実際
1.Ⅰ型呼吸不全
  2.Ⅱ型呼吸不全
 5.モニタリング

第 Ⅲ 章 慢性呼吸不全への対応方法
 慢性呼吸不全への対応方法
 1.はじめに
 2.酸素投与の実際
 
第 Ⅳ 章 肺高血圧症の酸素療法
 肺高血圧症の酸素療法
 1.肺高血圧症の定義・診断
 2.肺高血圧症の病態と組織低酸素
 3.酸素療法の適応

■各論
第 Ⅴ 章 酸素療法の実際
 A.酸素吸入に関する基礎知識
 /1.酸素投与方法 /2.酸素投与後の動脈血ガス改善の判定 /3.酸素加湿
 B.低流量システム
 /1.鼻カニュラ /2.簡易酸素マスク /3.開放型酸素マスク /4.オキシアーム /5.経皮気管内カテーテル
 C.高流量システム
 /1.ベンチュリマスク /2.ネブライザー式酸素吸入器 /3.高流量ネブライザー式酸素吸入器
 D.リザーバシステム
 /1.リザーバ付酸素マスク /2.リザーバ付鼻カニュラ
 E.付録
 /1.酸素テント /2.気管切開用マスク(トラキマスク) /3.高気圧酸素療法

第 Ⅵ 章 高流量鼻カニュラ 
 高流量鼻カニュラ(HFNC)
 1.はじめに
 2.HFNCの生理学的特徴
 3.構造
 4.HFNCOTの適応
 5.使用法と注意点
 6.さいごに

第 Ⅶ 章 在宅酸素療法
 A.社会保険適用基準
 /1.適応基準 /2.診療報酬算定要件について
 B.酸素供給装置
 /1.設置型酸素濃縮装置 /2.液化酸素 /3.携帯用酸素ボンベと呼吸同調装置 /4.いずれの酸素供給装置を選択するか
 C.付録
 /1.社会保障制度 /2.停電対策 /3.旅行(飛行機) /4.在宅酸素療法の継続における諸問題

第 Ⅷ 章 呼吸リハビリテーションと酸素吸入
 呼吸リハビリテーションと酸素吸入
 1.呼吸リハビリテーションにおける運動時低酸素血症と酸素吸入の意義
 2.運動時低酸素血症(EIH)の評価
 3.運動療法中の酸素吸入の実際
 4.運動療法中の酸素吸入の効果

第 Ⅸ 章 酸素療法の合併症
 A.CO2ナルコーシス
 /1.CO2ナルコーシスの定義
/2.高二酸化炭素血症の病態生理 /3.CO2ナルコーシスの発症機序 /4.CO2ナルコーシスの診断 /5.CO2ナルコーシスの予防と治療
 B.酸素中毒
 /1.酸素中毒とは /2.酸素中毒の発生機序 /3.酸素中毒の所見/4.酸素中毒の予防 /5.酸素中毒以外の高濃度酸素投与の問題点

第 Ⅹ 章 酸素療法のモニタリング
 A.パルスオキシメータ
 /1.原理 /2.測定法 /3.解釈
 B.経皮PCO2(PtcCO2またはTcPCO2)
 1.経皮PCO2(PtcCO2またはTcPCO2)測定器の解釈

第 XⅠ 章 酸素療法と看護(患者教育)
 酸素療法と看護(患者教育)
 1.HOT患者の体験
 2.患者教育
 3.患者から寄せられる質問とその答え方


第 XⅡ 章 安全管理
 安全管理
 1.酸素療法の安全管理
 2.酸素療法に関する事例紹介

第 XⅢ 章 用語の説明

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