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循環器大規模臨床試験要約集 2016年版

循環器大規模臨床試験要約集 2016年版

定価 2,750円(本体2,500円+税)
版 型 A4判
頁 数 88頁
ISBN 978-4-7792-1856-9
発売日 2017年4月10日
監修 小室一成 山崎力
編集主幹森田啓行
編集細谷弓子 網谷英介

在庫

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  • 内容紹介
  • 目次

内容紹介

循環器領域では、大規模臨床試験から得られたデータによるエビデンスの集積が着実に進んでいる。とりわけ高血圧治療における降圧目標については近年の研究で重要な知見が得られた。2015年末に論文が発表されたSPRINT試験は、非糖尿病の高血圧患者を対象に、収縮期血圧120mmHg未満を目標とする強化治療と140mmHg未満とする標準治療とを比較した。その結果、強化治療群では心血管イベントが有意に抑制され、試験は早期終了となった。のちに行われた高齢者(75歳以上)のサブグループ解析でも、同様に強化治療の顕著な効果が示されている。一方で強化治療は腎障害などの有害事象が多く、十分な注意とリスクベネフィットを踏まえた判断が必要となろう。血圧の測定法やACCORD試験などほかの研究との整合性、データの医学的解釈について議論の余地はあるものの、わが国における高血圧治療の方針にも影響を与える重要な結果であることは間違いない。糖尿病治療薬についても興味深いデータの発表が相次いでいる。EMPA-REGOUTCOME試験ではSGLT-2阻害薬エンパグリフロジンを用いた治療による心血管イベントを評価した。用量群ごとでは有意差をみなかったものの、統合した解析では、エンパグリフロジンは対照群と比較して有意に心血管イベントを抑制した。特に心不全発症の抑制効果が大きかったが、サブグル―プ解析において、心不全の有無にかかわらず有意な効果を示していた。一方、DPP-4阻害薬については、ランダム化比較試験43件、観察研究12件を含めたメタ解析において心不全による入院リスクを高める可能性が示唆されている。冠動脈疾患の分野では、虚血性心筋症患者に対し冠動脈バイパス術(CABG)追加の有益性を示したSTICH試験の10年間の追跡試験の結果が発表され、CABG追加による心血管転帰の有意な改善が確認された。SOCRATES試験は急性虚血性脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)患者を対象に、チカグレロルの血管イベント予防効果をアスピリンと比較したが、有意差は認められなかった。心血管インタベ―ションについては、不整脈治療後に心室頻拍を呈するICD植え込み虚血性心筋症患者を対象としたVANISH試験で、カテーテルアブレーションは抗不整脈
発売から30以上が経過し適応が広がっている免疫グロブリン製剤について,実臨床に役立つという観点から執筆。漸増治療と比較して転帰を改善することが示された。薬剤溶出ステント(DES)や経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)などに関する興味深い研究も発表されている。 この「循環器大規模臨床試験要約集 2016年版」に掲載された情報を、日常診療および研究にぜひ有効活用されるよう祈念したい。

(小室 一成「序文」より)

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目次

○虚血性心疾患
・ACTION Registry-GWTG(ACTION Registry-GWTG のサブ解析)
・After Eighty Study
・TOTAL(TOTALのフォローアップ解析)

○弁膜症
・CURRENT AS
・OBSERVANT(OBSERVANTのサブ解析)
・STS/ACC TVT Registry

○不整脈
・BRIDGE
・CARDIO-FIT
・ORBIT-AF(ORBIT-AFのサブ解析)
・VANISH

○心不全
・PARADIGM-HF(PARADIGM-HFのサブ解析)
・Prognostic Role of Serum Chloride Levels in Acute Decompensated Heart Failure
・Risk of Cardiomyopathy in Younger Persons with a Famili History of Death from Cardiomyopathy:a Nationwide Family Study in a Cohort of 3.9 Million Persons
・SERVE-HF

○脳卒中
・SOCRATES
―メタアナリシス―
・Mechanical Thrombectomy for Acute Lschemic Stroke:A Meta-Analysis of Randomized Trials
・Endovascular Thrombectomy for Acute Lschemic Stroke: A Meta-analysis

○高コレステロール血症
・Safety and Efficacy of LY3015014,a Monoclonal Antibody to Proprotein Convertase Subtilisin/Kexin Type 9 (PCSK9):a Randomized,Placebo-Controlled Phase2Study

○冠動脈疾患
・STICHES(STICHの延長試験)
・SYNTAX/BEST(SYNTAXおよびBESTのメタアナリシス)

○糖尿病
・Dipeptidyl Peptidase-4 Inhibitors and Risk of Heart Failure in Type2 Diabetes :Systematic Review and Meta-Analysis of Randimised and Observational Studies
・EMPA-REG OUTCOME
・EMPA-REG OUTCOME®(EMPA-REG OUTCOME®のサブ解析)
・TERISA(TERISAのサブ解析)

○高血圧
・ALLHAT(ALLHATのサブ解析)
・HONEST(HONESTのサブ解析)
・SPRINT
・SPRINT(SPRINTのサブ解析)
―メタアナリシス―
・More Versus Less Intensive Blood Pressure-Lowering Strategy:Cumulative Evidence and Trial Sequential Analysis

○先天性心疾患
・40-Year Follow-up after the Fontan Operation

○末梢動脈疾患
・IN.PACT SFA(IN.PACT SFAの中間報告)

○その他
・All-Japan Utstein Registry(All-Japan Utstein Registryの解析)
・Circulating Proprotein Convertase Subtilisin/Kexin Type 9 (PCSK9)Predicts Future Risk of Cardiovascular Events Independently of Established Risk Factors
・CORAL(CORALのサブ解析)
・VISION(VISIONのサブ解析)

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