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- ファーマナビゲーター 抗RANKL抗体編
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シリーズ ファーマナビゲーターシリーズ 定価 4,950円(本体4,500円+税) 版 型 B6判変型 頁 数 436頁 ISBN 978-4-7792-1674-9 発売日 2016年4月6日 編集 松本俊夫 田中栄
内容紹介
1997年に発見された破骨細胞分化因子RANKL(receptor activator of nuclear factor κB ligand,NF-κB活性化受容体リガンド)は、免疫学と骨代謝学をつなぐ分子として、「骨免疫学(osteoimmunology)」という新たな学問分野の誕生の契機となった。そして、そのRANKL 発見から10 年を待たずに、ヒト型抗RANKL 抗体であるデノスマブが開発され、多発性骨髄腫および固形癌骨転移による骨病変、および骨巨細胞腫そして骨粗鬆症に対する治療薬として患者に使用されるようになった。
本書は抗RANKL 抗体デノスマブの臨床効果についてのみならず、RANKL 発見の経緯から作用の分子メカニズム、生物学的意義について、RANKL の過去・現在そして未来を語りつくした「RANKL のすべて」ともいえる一冊である。
目次
Chapter 1 作用機序
1 破骨細胞の起源と分化経路
2 RANKL/RANK/OPG系の発見
3 RANKL/RANK/OPGの構造・機能連関
4 骨代謝調節因子とRANKL/OPGの発現制御
5 RANKL/OPGの産生細胞
6 RANKL/RANKシグナル伝達経路
7 免疫系におけるRANKLの役割
8 その他の臓器におけるRANKLの役割
9 RANKL欠損状態における骨組織異常
Chapter 2 抗RANKL療法:前臨床
1 RANKL/RANK/OPGの遺伝子改変マウス
2 骨粗鬆症モデル動物における抗RANKL療法
3 癌の骨転移モデル動物における抗RANKL療法
4 関節炎モデル動物における抗RANKL療法
5 歯周病モデル動物における抗RANKL療法
6 プロゲスチン誘導性乳癌モデル動物における抗RANKL療法
7 不動・非荷重モデル動物における抗RANKL療法
Chapter 3 癌の骨転移と抗RANKL療法
1 乳癌の骨転移と抗RANKL療法
2 前立腺癌の骨転移と抗RANKL療法
3 その他の固形腫瘍の骨転移と抗RANKL療法
4 多発性骨髄腫の骨病変と抗RANKL療法
5 骨巨細胞腫と抗RANKL療法
Chapter 4 骨粗鬆症と抗RANKL療法
1 デノスマブの薬物体内動態
2 デノスマブの骨密度と骨代謝マーカーへの効果:DEFEND試験
3 ビスホスホネート投与患者に対するデノスマブの効果:STAND試験
4 デノスマブの椎体・非椎体・大腿骨近位部骨折に対する効果:FREEDOM試験
5 骨粗鬆症患者に対するデノスマブの長期効果:FREEDOM延長試験
6 わが国の骨粗鬆症患者に対するデノスマブの効果:DIRECT試験
7 骨粗鬆症患者に対するデノスマブ中止の影響:DEFEND試験
8 デノスマブの治療忍容性:DAPS試験
9 デノスマブが骨構造に及ぼす効果の画像解析
10 腎機能低下骨粗鬆症患者に対するデノスマブの効果
11 デノスマブの安全性
Chapter 5 トピックス
1 関節リウマチに対するデノスマブの効果
2 デノスマブのテリパラチドとの併用効果:DATA試験
3 RANKL/RANK/OPG遺伝子変異患者の病態
Chapter 6 Question & Answer
1 デノスマブの骨密度増加効果は部位によってどのように異なりますか?
2 デノスマブの最大投与期間については,現時点でどのような考え方が得られていますか?
3 デノスマブが最も効果的である骨粗鬆症症例はどのようなケースと考えられますか?
4 骨吸収を強力に抑制するデノスマブは,低骨代謝回転型骨粗鬆症に効果が期待できるでしょうか?
5 デノスマブ投与中に骨折が生じた症例に,投与を継続して問題はないでしょうか?
6 デノスマブ投与によっても骨密度の改善が認められない症例では,どのような理由が考えられますか?
7 デノスマブは,二次性骨粗鬆症に対する効果が期待できますか?
8 ビスホスホネート,SERMとデノスマブを連続的に使用する場合の注意点について教えてください
9 デノスマブ投与中に他の抗体医薬が処方される場合,デノスマブを中止するほうがよいですか?
10 デノスマブを初回投与後,何らかの事情によって半年後の2回目の投与がされなかった場合,次の投与はどのように対応すればよいでしょうか?
11 デノスマブとテリパラチドの併用は単独投与と比べて有用でしょうか?
12 デノスマブは男性骨粗鬆症に対して有効でしょうか?
13 デノスマブ中止後も骨粗鬆症は継続する必要があるでしょうか?
14 デノスマブとビスホスホネートとの作用はどのように異なるのでしょうか?
15 服薬アドヒアランスに対するデノスマブの有用性について教えてください