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- 糖尿病療養指導ガイドブック 2014
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定価 3,080円(本体2,800円+税) 版 型 A4判変型 頁 数 222頁 ISBN 978-4-7792-1307-6 発売日 2014年5月23日 編集 日本糖尿病療養指導士認定機構
内容紹介
2000年に日本糖尿病療養指導士認定機構が発足してから14年が経過し、この間に17,600名余りの日本糖尿病療養指導士が誕生しました。日本糖尿病学会の専門医が4,995名ですので、専門医よりはるかに大勢の方が糖尿病療養指導に携わっていらっしゃることになります。糖尿病は様々な職種の医療スタッフによるチーム医療を行うことが極めて重要な疾患ですので、大勢の方に糖尿病療養指導士の資格を取っていただくことは大変に喜ばしいことです。平成24年の厚生労働省の国民健康・栄養調査では、日本でHbA1c 6.5%以上の糖尿病が強く疑われる人は950万人、HbA1c 6.0%以上6.5%未満の糖尿病の可能性が否定できない人は1,100万人と推定され、5年前の調査に比べて後者の数はやや減少に転じたとはいえ、まだまだ非常に多くの方が糖尿病もしくはその前段階にあります。とくに問題なのは、20歳以上の糖尿病が強く疑われる人の中で治療を受けている人は65.2%に過ぎず、若い人ほど治療を受けていない傾向にあることです。そのため、糖尿病合併症の抑制にはまだまだ時間がかかると思われます。もっと多くの糖尿病療養指導士が必要であり、診療の現場だけでなく、予防・医療スタッフ教育・啓蒙活動においても活躍していただく必要があります。2012年度の診療報酬改定で、糖尿病透析予防指導管理料が新設され、この2年間に多くの糖尿病療養指導士の方が指導にあたられました。こうした取り組みによって年間約17,000人の透析導入患者数が少しでも減らすことが証明できれば大変に画期的なことであり、糖尿病療養指導士の地位は高まり活動の場は広がるものと考えられます。したがって、一人でも多くの方が日本糖尿病療養指導士の資格を得て活躍されることを強く願って止みません。
本ガイドブックは日本糖尿病療養指導士の学習目標と課題を網羅したものであり、認定試験や講習資料のほとんどは本書を基にして作成されています。そして急速に進歩を遂げつつある糖尿病診療に遅れないように毎年改訂を行っています。今回の改訂では章立てをかなり大きく変更しました。すなわち、前半(第Ⅱ~Ⅴ章)は糖尿病に関して糖尿病療養指導士として知っておいていただきたい基本的な知識を挙げ、後半(第Ⅵ~Ⅹ章)は糖尿病療養指導を実践する上での知識や注意点などを網羅しました。
本書が広く糖尿病療養指導の現場において生かされ、糖尿病患者のQOL向上に資することを強く願います。一方ですでに糖尿病療養指導に深く携われた方は、本書だけでは解決できない問題点も数多く直面されていると思います。そのような場合は、認定更新者用講習会、日本糖尿病学会のガイドブック、専門医への質問などを通じてさらに知識を深めて実践に生かしてください。
最後に、今回の改訂にあたって、執筆・協力をいただきました全ての関係者の方々に感謝いたします。
(佐倉 宏「序」)
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目次
Ⅰ章 糖尿病療養指導士の役割・機能
1.日本糖尿病療養指導士制度
2.療養指導の基本
3.関連団体
Ⅱ章 糖尿病の概念、診断、成因、検査
1.疾患概念
2.診断
3.分類と成因
4.検査
Ⅲ章 糖尿病の現状と課題
1.糖尿病の疫学指標
2.糖尿病の一次予防
3.糖尿病を減らすための社会的取り組み
Ⅳ章 糖尿病の治療(総論)
1.治療目標とコントロール目標
2.治療方針の立て方
Ⅴ章 糖尿病の基本治療と療養指導
1.食事療法
2.運動療法
3.薬物療法(経口血糖降下薬)
4.薬物療法(インスリン等)
Ⅵ章 糖尿病患者の心理と行動
1.心理・行動に配慮した面接技法
2.セルフケア行動の促進
3.心理的困難な状態にある患者への援助
4.精神疾患の存在
5.家族支援
Ⅶ章 療養指導の基本(患者教育)
1.療養指導に必要な患者教育の考え方
2.療養指導の実際
3.評価・修正
Ⅷ章 ライフステージ別の療養指導
1.乳幼児期
2.学童期
3.思春期
4.妊娠・出産
5.就労期
6.高齢期
Ⅸ章 合併症・併存疾患の治療・療養指導
1.急性合併症
2.糖尿病細小血管障害
3.大血管障害(動脈硬化症)
4.メタボリックシンドローム
5.その他
Ⅹ章 特殊な状況・病態時の療養指導
1.シックデイ
2.周術期
3.栄養不良
4.旅行
5.災害時
6.医療安全上の留意点