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定価 2,200円(本体2,000円+税) 版 型 A4判変型 頁 数 162頁 ISBN 978-4-7792-1202-4 発売日 2014年1月28日 監修 「大腸癌FRONTIER」編集委員会 編集 石黒めぐみ
内容紹介
本書は,2008年3月に創刊された季刊誌「大腸癌FRONTIER」に連載された「Q&Aで綴る レジデント・ノート」を,2013年12月の同誌休刊を機に合本化したものです。
この連載は,1つは「若手の先生が実地臨床の場で遭遇する疑問」,もう1つは「しばしば患者さんに尋ねられること」という視点で毎号2つの「Q」を選び,その分野の専門の先生方に,平易な表現でコンパクトに回答「A」と解説をおまとめいただいて参りました。5年間に43本の「Q&A」が掲載され,その内容は,診断・検査から治療,費用の話に至るまで,さまざまな領域に及んでいます。また,2008年の創刊から5年の間に,大腸癌診療の分野でも複数の新たなエビデンスが報告され,新規薬剤も登場しました。本書では,これらの新たな情報にもできる限り対応すべく,合本化に際し,掲載時以降に新たな重要な知見が報告された部分については,各執筆者の先生にお願いし,末尾に「Side Memo」を追加していただきました。
私自身も学生の授業や,市民公開講座など一般の方向けにお話をさせていただく機会がしばしばありますが,専門的な内容をわかりやすく伝えるのは非常にむずかしいもの。本書は「レジデント・ノート」と銘打ってはいますが,若手の先生方に勉強していただくという本来の主旨としての用途はもちろん,大腸癌診療を専門とされている先生方にとっても,知識の整理や患者さんへの説明の際の参考として,お役に立つ一冊になっていると思います。
この一冊が,大腸癌診療に携わる多くの先生方の日常診療の一助となり,また,患者さんの疑問や不安の解消に少しでも貢献できれば幸いです。
(石黒めぐみ「序文~合本化にあたって~」)
目次
※合本化に伴い,連載時から一部タイトルを変更しております。
※( )内数字は連載番号
第1章 診断と検査
○大腸癌検診の発見率,偽陰性率はどのくらいですか?(11)/斎藤 博
○がん検診として,PETは有効ですか?(40)/南本亮吾
○TNM分類【第7版】は,第6版に比べてどのように変わったのですか?(20)/板橋道朗 ほか
○簇出について教えて下さい。簇出はSM癌の内視鏡的摘除後の追加腸切除を検討する際の判断材料になるのでしょうか?(5)/河内 洋 ほか
○「MSI」とはなんですか?(28)/冨田尚裕
○大腸癌の遺伝の可能性や遺伝子検査の選択肢について,情報提供した方が良いのはどんな患者さんですか?/田村智英子
第2章 内視鏡治療/手術治療 プロが教えるマネジメントのコツ
○大腸癌の内視鏡治療の際の,抗血小板薬・抗凝固薬の取り扱いについて教えて下さい。(10)/斉藤裕輔 ほか
・Topics 「抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン」2012の解説/斉藤裕輔
○内視鏡治療の合併症の頻度と,合併症を防ぐコツを教えて下さい。(18)/五十嵐正広
○大腸ステントが2012年から保険収載されましたが,その有効性・安全性は?(42)/斉田芳久
○「ストーマサイトマーキング」の際の注意点を教えて下さい。(37)/山田一隆
○大腸癌手術後の便秘,下痢などに対する問診・投薬のコツを教えて下さい。(13)/味村俊樹
第3章 新しい「根治を目指した」放射線治療
○「重粒子線治療」とはどのようなものですか?(31)/中野隆史
○肺転移に対する「定位放射線治療」の適応,効果について教えて下さい。(39)/唐澤克之
第4章 化学療法(1)背景を学んでコツをつかむ
○5-FU系の経口抗がん剤には複数の種類がありますが,それぞれどのように違うのでしょうか?(15)/市川 度
○大腸癌補助化学療法について,治療にかかる期間や副作用について教えて下さい。(8)/小松嘉人
○分子標的治療薬は,従来の抗がん剤とどのように違うのでしょうか?(9)/下山ライ ほか
○分子標的治療薬にはいろいろな種類があるようですが,どのような違いがあるのでしょうか?(41)堀江良樹 ほか
○「KRAS遺伝子検査」とはどのような検査ですか?(26)/横田知哉
○高齢者の化学療法で,注意すべきポイントはなんですか?(17)/佐藤太郎
○中心静脈ポートについて,留置手技のコツ,合併症の予防・対処法などの管理のコツを教えて下さい。(30)/祖父江慶太郎 ほか
第5章 化学療法(2)副作用とそのマネジメント
○化学療法の際に用いる「制吐剤」には複数の種類がありますが,どのように使い分けたらいいのでしょうか?使い方のコツを教えて下さい。(35)/沖田憲司 ほか
○オキサリプラチンによる「末梢神経障害」とは,具体的にどのような症状ですか?その対処法は?(34)/小林良充 ほか
○オキサリプラチンの毒性をコントロールしながら治療を続けるコツを教えて下さい。(3)/吉田元樹 ほか
○セツキシマブ,パニツムマブによる「皮膚障害」とは具体的にどのような症状ですか?その対処法は?(22)/渡邉利泰
○ベバシズマブの副作用にはどんなものがありますか?その対処法は?(32)/水沼信之
○化学療法中の患者さんから,自宅で発熱があったと連絡がありました。適切な対処法を教えて下さい。(24)/木村朋広 ほか
○化学療法による脱毛,どのくらいたてば元通りになりますか?(36)清原祥夫
第6章 患者さんの素朴な疑問
○大腸癌は遺伝しますか?(1)/冨田尚裕
○親族(血縁者)に大腸癌に罹った人が(複数)います。検査を受けた方が良いでしょうか?(23)/樋口哲郎 ほか
○大腸癌の予防法はありますか?大腸癌の危険因子となるような,食事や生活習慣はありますか?(12)/古野純典
○大腸癌に罹ったあと,またがんに罹る可能性はありますか?(14)/石黒めぐみ ほか
○大腸ポリープを内視鏡で切除しました。定期的な内視鏡検査は必要ですか?どのくらいの間隔で検査を受ければ良いですか?(27)/坂本 琢 ほか
○腹腔鏡手術と開腹手術,何がどう違うのですか?(25)/河田健二 ほか
○大腸癌術後の食生活は,どのようなことに注意すれば良いですか?(19)/西村元一
○人工肛門(ストーマ)とはどのようなものですか?また,日常生活における注意点を教えて下さい。(4)/山田一隆
○人工肛門になったら障害者認定を受けられるそうですが,その手続きは?どのような補助が受けられるのですか?(29)/貝谷敏子 ほか
○「がん免疫療法」とはどのようなものですか?(43)/小川健治
第7章 知っておくべきお金のハナシ
○高額療養費制度について教えて下さい。(38)/高田由香
○大腸癌の検査には,どれくらいお金がかかるのですか?(21)/石黒めぐみ ほか
第8章 臨床試験
○臨床試験について教えて下さい。(7)/福田治彦