内容紹介
高血圧診療のこの10年の進歩の一つが,原発性アルドステロン症の高血圧に占める頻度が明らかにされたことである。多くの症例が見逃され,血圧のコントロール是正が高血圧治療の中心となっているが,その原因となるアルドステロン過剰症が現在やっと注目されるようになってきた。
本疾患は心血管系障害をもたらし,腎機能にも悪影響を示す。したがって,早期診断治療を要する疾患である。さらに重要なポイントは,外科的処置で治療可能な病態でもあることを認識すべきである。
手術療法の前に必須な検査である副腎静脈サンプリング(AVS)は,その手技と評価診断基準が明らかでない。本書は,AVSの方法とその解釈につき優しく概説することを目的として編集されたものである。AVSがより正確に行え,本疾患の診断にお役に立てることを願って,はじめの言葉とした。
(編者一同「序」)
目次
○AVSの診断方法・診断基準/大村昌夫/牧田幸三/松井青史/西川哲男
○AVSにおける右副腎静脈カニュレーションの成功判定/森本 玲/佐藤文俊/工藤正孝/高瀬 圭/清治和将/伊藤貞嘉
○AVSにおける左副腎静脈のサンプリングポイントについて/工藤正孝/佐藤文俊/森本 玲/高瀬 圭/伊藤貞嘉
○AVSの手技/高瀬 圭
○AVS手技成功のためのコツ/牧田幸三