内容紹介
皮膚は人間にとってもっとも大きな臓器であり，『にきび』や『水虫』などの皮膚疾患は他の疾患に比べ，多くの人が経験しているなじみやすい病気である。これら皮膚疾患は他の疾患と同様に多くのガイドラインが策定されているが，関心が低く，精通することが困難な領域と考えられている。その結果，真菌症や褥瘡のように多くの診療科で普通にみることができる皮膚疾患でも，皮膚科医にまかせきりの場合が多く，治療が遅れてしまうことを経験する。薬剤師や看護師など他の医療従事者においても同様に，皮膚疾患への感心が低い。
そこで，本書は皮膚疾患に従事する医療従事者を対象に皮膚疾患と薬物療法を体系的に学び，スキルアップを図ることを目標に編纂された。皮膚疾患の基礎知識と薬物療法および処方の意図，薬物療法の基礎知識として内服薬から外用薬まで幅広く解説した。加えて，患者ケアおよびよくある質問についても取り上げ，日常業務ですぐに役立つ実践的な書籍となったと確信している。
本書が皮膚疾患への感心を高め，皮膚科治療薬の適正使用のレベルアップに役立つことで患者の福音となることを願ってやまない。
（大谷道輝「序文」より）
正誤表（2011.3.10更新）
目次
第1章 皮膚疾患の基礎知識
／1．アトピー性皮膚炎 ／2．接触皮膚炎 ／3．脂漏性皮膚炎 ／4．乾皮症・皮脂欠乏症 ／5．乾癬 ／6．光線過敏症 ／7．褥瘡 ／8．ウオノメ・タコ ／9．蕁麻疹 ／10．掌蹠膿疱症 ／11．魚鱗癬（さめ肌） ／12．とびひ（伝染性膿痂疹）・おでき（?） ／13．にきび ／14．帯状疱疹 ／15．単純ヘルペス ／16．足白癬，爪白癬 ／17．虫刺されおよび有害生物刺咬症 ／18．疥癬・シラミ ／19．脱毛症 ／20．水疱症 ／21．尋常性白斑（しろなまず） ／22．しみ（美白） ／23．熱傷 ／24．凍瘡 ／25．全身性エリテマトーデス ／26．強皮症 ／27．シェーグレン症候群 ／28．皮膚悪性腫瘍 ／29．角化症（魚鱗癬を除く） ／30．紅斑症
第2章 薬物療法の基礎知識
／ステロイド ／活性型ビタミンD3製剤 ／シクロスポリン ／抗ヒスタミン薬 ／タクロリムス軟膏 ／抗菌薬 ／抗真菌薬 ／褥瘡治療用外用剤 ／抗ウイルス薬 ／にきび治療薬 ／保湿剤 ／脱毛治療薬 ／疥癬等治療薬 ／サンスクリーン剤 ／消毒薬 ／その他の治療薬
第3章 患者ケア
第4章 患者さんから受けるよくある質問～FAQ～
