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定価 5,170円(本体4,700円+税) 版 型 B5判 頁 数 324頁 ISBN 978-4-7792-0243-8 発売日 2008年4月10日 著者 千葉大学医学部学生“K project”メンバー&循環器内科指導教官 編集 小室一成
内容紹介
ハーバード大学留学中,よく行っていた大学Coopの書籍部で見た一冊の本に大きな衝撃を受けた。それは,“PATHOPHYSIOLOGY OF HEART DISEASE”という本であり,そこには循環器疾患の病態生理が,最新の知識を含めて,大変解りやすく書かれていた。しかし驚いたのは,良くまとまっていたからではなく,その本が,循環器専門教官の指導の下とはいえ,ハーバードの医学部学生により書かれていたからである。
ある学生に上記の本の話をしたところ,千葉大学でもそのような本を作ろうということになった。そこで,10名あまりの学生を中心に,千葉大学の学生により循環器の病態生理に関する教科書を作るプロジェクト(K project)が立ち上がった。・・・実際書いた後も何度も修正を繰り返し,大変な難産のすえ出来上がったのが本書である。学生が書いたゆえに多少生硬なところもあるが,ハーバードの学生の書いたものにも引けを取らない素晴しいものができたと自負している。
(小室一成「序」より)
目次
第1章 心臓の正常構造
/1.心臓壁と心嚢の構造 /2.心臓の外見 /3.弁 /4.右心系 /5.左心系 /6.刺激伝導系 /7.神経支配 /8.冠動脈
第2章 心臓・大血管の発生と先天性心疾患
/1.心臓・大血管の発生 /2.先天性心疾患
第3章 心不全
/1.心筋収縮・拡張のメカニズム /2.心筋収縮のエネルギー代謝 /3.血管抵抗調節因子 /4.体液調節因子 /5.自律神経と心不全 /6.生理的肥大と病的肥大 /7.リモデリング /8.アポトーシス /9.ROSとRNS
第4章 心筋症
/1.1次性心筋症 /2.2次性心筋症
第5章 不整脈
/1.頻脈性不整脈の機序 /2.徐脈性不整脈の機序
第6章 動脈硬化
/1.血管壁の構造 /2.動脈硬化の形成機序 /3.動脈硬化合併症 /4.動脈硬化の危険因子 /5.動脈硬化の治療
第7章 虚血性心疾患
/1.冠動脈血流と心筋虚血 /2.虚血に対する心筋の反応 /3.不安定プラーク検出法 /4.冠攣縮性狭心症の病態生理 /5.再灌流障害 /6.薬剤溶出性ステント(drug-eluting stent : DES)
第8章 高血圧
/1.高血圧の定義とわが国の現状 /2.血圧の調節機構 /3.高血圧の診断 /4.本態性高血圧 /5.二次性高血圧 /6.特殊な条件下での高血圧 /7.高血圧による臓器障害 /8.高血圧の治療
第9章 循環器治療薬
/1.抗不整脈薬 /2.抗アドレナリン作用薬 /3.陽性変力作用をもつ薬物 /4.血管拡張薬 /5.抗血栓薬 /6.利尿薬
第10章 再生医療
/1.再生医療:序説(血管および心筋再生) /2.血管増殖因子を用いた血管新生治療(遺伝子治療を含む) /3.細胞移植およびサイトカイン治療による血管新生 /4.細胞移植治療による心筋再生 /5.幹細胞による心筋再生 /6.組織工学(Tissue Engineering)