-
-
シリーズ 「ガイドラインを読む」シリーズ 定価 2,860円(本体2,600円+税) 版 型 B5判 頁 数 280頁 ISBN 978-4-7792-0108-0 発売日 2007年5月1日 編集 宮地良樹 真田弘美
内容紹介
日本褥瘡学会から「科学的根拠に基づく褥瘡局所治療ガイドライン」が公表されたのは2005年の9月であった。・・・このガイドラインは,EBM時代の要請に応えて,きわめて厳密かつ精緻にエビデンスの集積と推奨度の決定がなされたが,臨床場面における意思決定のため日常的なツールとしてはいささか堅苦しい印象は否めない。日常的な臨床決断に活用するためにはDESIGN評価の実際や治療のスキームを念頭にガイドラインの全体像を噛みくだいて解説することが求められよう。
そこで本書ではガイドライン策定メンバーを中心に,ガイドラインの背景と真意を簡明に伝え,より実践的にガイドラインを使いこなすことができるように留意して執筆をお願いした。読み進むうちに,「ああ,そうだったのか」と合点がいくようになれば「ガイドラインを読む」という趣旨は成就されたことになろう。医療者の臨床決断を支援できる補助ツールとして本書が有効に機能すればこれに勝る喜びはない。最終的な決断はエビデンスではなく,人が下すものだからである。
目次
第I章 ガイドラインを読む前に・・・
1. なぜ褥瘡ガイドラインがつくられたのか?
minilecture・褥瘡の頻度は?
2. ガイドラインは何のためにあるのか
―ガイドラインは臨床決断支援ツールであり,医療者を束縛するものではない
3. ガイドラインを読むために必要な予備知識とは
4. DESIGNってなに?
ガイドラインを読むためにまずDESIGNを知る
第II章 褥瘡ガイドラインのオリエンテーション
1. 褥瘡局所治療を理解するためのキーワードとは
2. 外用薬にはどんなものがあるか
~基材,褥瘡における薬効別分類,外用薬の利点と欠点~
3. ドレッシング材にはどんなものがあるか
4. 手術や外科的手技にはどんなものがあるか
手術やデブリードマンの実際,外科的手術の利点と欠点
minilecture・ガイドラインを使うための基本的な技術とは?
―ガーゼ・ドレッシング材の除去から再貼布までの一連の手技
5. 物理療法にはどんなものがあるか
物理療法の紹介,利点と欠点
minilecture・陰圧閉鎖療法とは
第III章 急性期褥瘡の治療
1. 急性期褥瘡の特徴,治療の目標は何か,どんな治療があるか
第IV章 慢性期褥瘡の治療
1. 基本スキームを学ぶ
2. 慢性期の浅い褥瘡の治療
1.発赤はどうする?
2.水疱はどうする?
3.びらんはどうする?
3. 慢性期の深い褥瘡の治療
1. 壊死組織を除去するためにはどうするか
/1.外科的デブリードマン/2.外用薬によるデブリードマン/3.物理療法・洗浄は?
minilecture・メスを使わずにデブリードマンする?
minilecture・まごっと法ってなに?
minilecture・踵の褥瘡とほかの部位の褥瘡管理の違い
2. 肉芽形成を促進するにはどうするか
/1.外用薬で肉芽形成を促進するには?/2.ドレッシング材で肉芽形成を促進するには?
minilecture・創傷治癒カスケードを理解する
3. 創を縮小するにはどうするか
/1.保存的治療(外用薬・ドレッシング材)/2.外科的方法
4. 感染・炎症をコントロールするにはどうするか
/1.外用薬で感染・炎症をコントロールするには?/2.消毒・洗浄は?/3.外科的治療・物理療法は?
minilecture・撥水性クリーム・オイル,保湿性洗浄剤
5. 滲出液のコントロールはどうするか
/1.外用薬で滲出液をコントロールするには?/2.ドレッシング材で滲出液をコントロールするには?
6. ポケットはどうするか
―ポケットに対する新しい考え方と治療―