内容紹介
認知症に関連する主な診断基準，評価スケール，疫学的事項，リスクファクター，原因疾患，病態・症状，生理・病理，画像や診断マーカー，治療，遺伝子関連事項，ケアや社会的対応に関する事項などの中から主要なものを厳選して解説した本である。1事項を見開き2ページに収まるように簡潔に解説することを原則としている点が，類書とは異なる最大の特徴である。しかも必要な用語は別に脚注の形で解説し，さらに文献，参考文献を事項ごとに挙げ，関連事項のページを示すなど，より詳しく知りたい方のために便利なように工夫されている。
（平井俊策「序文」より）
目次
第1章 診断基準
／1．ICD-10 ／2．DSM-IV ／3．NINCDS-ADRDA ／4．NINDS-AIREN ／5．ADDTC ／6．CERAD基準 ／7．評価Braak NFT stage
第2章 診断基準
／1．改定長谷川式簡易知能評価スケール（HIDSーR） ／2．ADAS-cog ／3．MMSE ／4．NMスケール（N式老年者用精神状態評価尺度） ／5．N式精神機能検査 ／6．臨床的認知症尺度（CDR） ／7．FAST ／8．時計描画テスト（CDT） ／9．Severe Impairment Battery（SIB） ／10．N-ADL（N式老年者用日常生活動作能力評価尺度） ／11．DAD ／12．ADCS-ADL ／13．NPI ／14．Behave-AD（アルツハイマー型認知症（痴呆）行動スケール） ／15．CMAI ／16．前頭葉機能検査 ／17．その他の評価スケール
第3章 疫学
／1．ロッテルダムスタディ ／2．EURODEM ／3．その他の海外の疫学調査 ／4．福岡県久山町疫学調査 ／5．鳥取県大山町疫学調査 ／6．その他の本邦の疫学調査
第4章 リスクファクター
／1．アルツハイマー病と生活習慣 ／2．アルツハイマー病と身体疾患 ／3．アルツハイマー病と教育・職業
第5章 原因疾患
／1．老年期認知症（痴呆）の原因疾患 ／2．アルツハイマー型認知症（痴呆） ／3．家族性アルツハイマー病（FAD） ／4．血管性認知症（痴呆） ／5．混合型認知症（痴呆） ／6．非アルツハイマー型変性認知症（痴呆） ／7．レビー小体型認知症（痴呆） ／8．前頭側頭型認知症（痴呆） ／9．ピック病 ／10．ALSを伴う認知症（痴呆）（湯浅・三山型） ／11．意味認知症（痴呆） ／12．進行性非流暢性失語 ／13．FTDP-17 ／14．進行性核上性麻痺（PSP） ／15．大脳皮質基底核変性症（DNTC） ／16．石灰沈着を伴うびまん性神経原線維変化病（DNTC） ／17．神経原線維変化型老年認知症（痴呆）（SD-NFT） ／18．嗜銀顆粒性認知症（痴呆） ／19．多系統萎縮症（MSA） ／20．歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症（DRPLA） ／21．ハンチントン病 ／22．プリオン病 ／23．甲状腺機能低下症 ／24．ウェルニッケ脳症 ／25．ビタミンB12，葉酸欠乏症 ／26．ニコチン酸欠乏症 ／27．高カルシウム血症 ／28．薬物性認知症（痴呆） ／29．正常圧水頭症（iNPH） ／30．慢性硬膜下血腫 ／31．脳腫瘍 ／32．HIV感染症
第6章 病態・症状
／1．認知機能障害 ／2．軽度認知機能障害の概念と類似病態 ／3．記憶障害 ／4．見当識障害 ／5．理解力，判断力障害 ／6．遂行機能障害 ／7．失行・失認 ／8．人格変化 ／9．幻覚・妄想 ／10．せん妄 ／11．感情障害 ／12．睡眠障害 ／13．不潔行為 ／14．攻撃的行為 ／15．徘徊 ／16．夕暮れ症候群 ／17．鏡現象 ／18．言語障害 ／19．尿失禁 ／20．ミオクローヌス ／21．歩行障害・転倒
第7章 生理・病理
／1．アセチルコリンと知的機能 ／2．アセチルコリン受容体 ／3．βアミロイドカスケード仮説 ／4．老人班 ／5．神経原線維変化 ／6．βアミロイド前駆体蛋白（APP）とβアミロイド ／7．タウ蛋白 ／8．ユビキチン ／9．αシヌクレイン ／10．プレセリニン1，2 ／11．アポリポ蛋白E ／12．酸化ストレス ／13．アルミニウム ／14．小胞体ストレス ／15．アルツハイマー病におけるミトコンドリアの役割 ／16．エンドソーム・リソソーム
第8章 画像診断・脳波・診断マーカー
／1．CT ／2．MRI ／3．SPECT ／4．PET ／5．分子イメージング ／6．タッチパネル式認知症（痴呆）スクリーニング ／7．診断マーカー
第9章 治療
／1．抗認知症（痴呆）薬開発の経緯と現況 ／2．ドネベジル ／3．ガランタミン ／4．リバスチグミン ／5．メマンチン ／6．将来の抗認知症（痴呆）薬の展望 ／7．周辺症状に対する対症療法 ／8．非定型抗精神病薬 ／9．抗うつ薬 ／10．睡眠導入薬 ／11．非薬物療法 ／12．回想法/絵画療法/現実見当識訓練 ／13．認知リハビリテーション ／14．音楽療法，動物介在療法および芳香療法（アロマテラピ）
第10章 遺伝子関連
／1．APP遺伝子変異とアルツハイマー病 ／2．PS蛋白変異とアルツハイマー病 ／3．タウと認知症（痴呆） ／4．αシヌクレインと認知症（痴呆） ／5．プリオンと認知症（痴呆） ／6．リスク遺伝子（アポリポ蛋白E4）とアルツハイマー病
第11章 社会的対応・ケア
／1．もの忘れ外来 ／2．介護保険 ／3．在宅医療 ／4．認知症（痴呆）ケアの原則 ／5．法律的諸問題
